「ターミナル」という映画がある。トム・ハンクス扮するクラコウジア人のビクター・ナボルスキーという男が、フライト直後に彼の母国のクラコウジアでクーデターが発生し、政府が消滅。彼のパスポートは無効になり、ジョン・F・ケネディ空港の国際線乗り継ぎターミナルで、出国も入国もできず、やむ負えず空港で生活をする話だ。。。ふと年末の香港国際空港でふとトム・ハンクス扮するナボルスキーを思い出した。
年末の航空券高騰でタイへの直行便でエアアジアですら15万超えをしていたので、香港経由を選択し、深夜の乗り継ぎ便はとれなく、空港泊はだるいので、旺角まで出て安宿にとまり、また空港にもどり、タイへ向かう予定だった。安宿での仮眠含め、香港には 10 時間以内の滞在予定のはずであったが、そうはいかなかった。。。
エアポートバス車内の「旺角」というアナウンスを聞いてバスを降りた。深夜 2 時過ぎ、旺角の街中に降り立つ。12月だったが、東京の気温とは全く違い、秋ぐらいの少しだけ涼しい気温。時折吹く生ぬるい風。
東京ではダウンジャケット着ないと生きていけないのに、香港ではパーカー羽織れば十分な気候。
深夜 2 時だが、バスは走り、飲食店は開いていて、人々の往来がある。ごはんを食べようか迷ったが、朝の7 時過ぎにはエアポートバスにまた乗らないといけないことを考えると睡眠時間を優先することにして、予約した阿山旅館を探すことにした。入り口がわからずぐるりと無駄に一周してしまったが、何とか雑居ビルの入り口に入り、不愛想な警備員の脇を通り抜け、エレベータに乗った。 エレベーターの回数表示にまったく別名のホテル名が散見していることからここはフロアに複数のホテル存在している重慶マンションと同じスタイルだ。
エレベーターは14階につき、看板が見えた。
レセプションのドアは閉ざされている。何度か、入り口をたたくと寝ていたのか、夜勤らしきおっさんがドアを開けてくれた。香港の割には意外にもあまり英語は通じなかったが、何とか予約していることは伝わった。
「明日はどこに行くの?」と聞かれたので、「Thailand」と答え、早朝チェックアウトすることを告げた。時刻は 2 時を回っていたので、もうあとちょっとじゃないか?というジェスチャーをおっさんはして、ついてこいと促した。
部屋は 1 階下の 13階にあり、細長い廊下に 6 個のドアがついている。
部屋はこんな感じだ。まさに寝るためだけのホテル。私の要望を 100 %満たしているw
パンツにパーカ―姿でベットにもぐりこんだ。秋のような気候だが、寒さは感じなかった。
7時まであまり時間はない。すぐに電気を消して、眠った。
寝過ごさないように気を張っているためか、目覚ましが鳴る 10 分前に自然と目が覚めた。眠い。がしかし、空港に向かわねば。
シャワーを浴びようか考えたが、ドライヤーがないので、髪を乾かさずに外に出るのも気が憚れて、空港で浴びることにして、身支度をし、 上のレセプションの階に階段を上ってチェックアウトをしに行った。
昨夜の夜勤のおっさんはまだいて、チェックアウトをしてくれた。「Have a nice trip」とおっさんは言ってくれた。なんとも優しい言葉だ。私はたった 5 時間もこのホテルに滞在していないのに。
私も「Have a nice day」と返し、またエレベーターで下に降りていく。
早朝の旺角はそこまで活気はなく、怠惰で眠そうな雰囲気。セブンイレブンで小銭を作るために缶コーヒーを買った。
大通りに向かうと横断歩道の香港独特のいつもの音が鳴る「かんかんかん」とこもった音で、残り時間がすくなくなるとリズムは小刻みに鳴っていくいつものアレだ。
道路を渡り、エアポートバスのバス停に向かった。運よくバスはすぐに来た。が、コンビニでうまいこと小銭をつくれていなかったらしい。33 香港ドルだがピッタリない。スターバックスのコーヒー買うんじゃなかった。 UCC の缶コーヒーにしておけばよかたー。 運転手曰くエアポートバスはおつりを一切くれないシステムらしい。泣く泣く 40 香港ドルをバス代金収納ボックスに「スラ~ムダーンク!」した。運転手のおっさんはそんな俺の気持ちも気づかず、ガンガンバスを飛ばす。良い子のみんな。エアポートバスに乗るときはピッタリ払うための小銭を用意しようね!
昨夜来た道を朝、また戻っていく。深水埗あたりの香港の変わらない古びた高層マンション群が続く。細長く縦長のビル。少ない敷地面積なのに空へと伸びるビル。このような建て方でOKということは地震は少ないのだろうなと思った。
青衣あたりの大橋に近づくと建築中のビル群が見えてくる。
ココを抜けたら、空港まで何もない道が続く。トンネルを下るとすぐにターミナル 2 到着のメッセージが流れた。
バスを降り、チェックインカウンターに向かった。
続く
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